少し前に、茶道のさの字も知らないのに、とても有り難いご縁で御茶事にご招待頂きました。
そもそも「お茶事」という言葉も知りませんでした。
ひとまず、白い靴下が必要と知ったので、買いに行きました!
服装はワンピースにジャケットで。
とても楽しみに家を出ました。
素敵なお着物で迎えてくださった御亭主。
案内されたお部屋で身支度を整えて、汲出し(お白湯)を頂きました。
立鶴のお茶碗が素敵。
草履を履いて(靴下では履けません泣、引きずりながら歩きます)、腰掛待合へ。
お庭を眺めて、優雅な気持ち。
つくばいで手を清めて、いよいよお茶室へ入ります。
ドキドキ!!
ここで、「にじる」という言葉と動作を初めて知りました。
お軸や炉を眺めて、初炭。
香合を持ち上げて見てしまい、ダメだし。壊れてはいけないので持ち上げてはいけないのだそうです。
それにしても、マスクをしているので木やお香の香りを思い切り堪能できないのがなんとも残念ですね。
その都度作法を細かく教えて頂きながら、御茶事は進みます。
裏千家だそうですが、このコロナ禍で少しお作法も変更になっているとのことです。
ここから懐石が出されました。
最初に、ご飯、汁、ご飯、汁の具、ご飯、汁と3回セットで食べ終わるようにするとのこと。
それから、お代わり。
たくさんの料理が出されましたが、蛤のしんじょに感動!
鯛や鮭のほかに、筍、ふきなど春のお野菜(筍はご主人が掘ったもの)、食べたことのない具だくさんのひろうす、焼魚など。
料亭のお料理のようでした!
ここで一旦中立ちで、休憩。
お茶室を出てもう一度身支度を整えて、先ほどと同じく腰掛待合へ。
待っていると銅鑼が鳴ったので、再度お茶室へ入ります。
お茶室は模様替えされて、お軸がお花に変わっていました!
椿と紫陽花の葉でした。
さて、いよいよお茶です!!
濃茶は初めて飲みました。香りも高くてとてもふくよかなお茶ですね~。
お祝い事でお使いのお茶碗で頂きました。
そして、落雁と「春うらら」というお菓子を頂いてから、薄茶でした。
ご亭主の仕草ひとつひとつがとても優雅で見ていてうっとりします。
お茶をゆっくり頂いたあとに、勧められて、せっかくだからお茶を立てさせて頂くことに。
ガチガチ。
ひとまず釜の前に座ります。
細かく教えて頂きますが、さっと理解してうまく動けません。
早速畳の上にお湯をこぼして冷や汗タラタラ。
茶杓ですくったお茶もこぼしました。
ほんとごめんなさい!
「身体と平行に(道具を)置いて」
「はい!」
「それは垂直よ!笑」
え!?
「では元にあったところに戻して」
「はい! ・・・えーと、元はどこにありましたっけ?」
センチ単位で元の場所を覚えておくものなのですね。
「手を前後に動かして」
「はい!」
泡立て器のようにグルグルやってました・・・。
優雅な動作には程遠かったですが、初めてなのにこうして教えて頂きながら体験させて頂けて、有り難いことこの上ないです。恐縮です。
お茶は総合芸術といわれるそうですが、今日はそれを垣間見て圧倒されました。
全てが美しいし、優雅ですねえ。
自然と洋には親しんでいますが、もっと和のことにも目を向けていきたいと思いました。
少しお話ししてから、満たされた気持ちでいっぱいで、帰途につきました。