先日またピアノの弦が切れました。
先月のコンサート前に切れて張弦してもらい、その弦が緩んできて気持ちが悪いから整えてもらおうとした矢先、別の弦がまた切れてしまいました。
頼むよ〜相棒、切れないでよ〜。
断弦。
切れる瞬間はバチンッとものすごく大きな音がするので、集中している時はそれはもう飛び上がるほどビックリします。
調律師さん曰く、金属疲労で断弦するからそれだけよく弾いているということらしい(作曲家には関係ない)のですが、どう考えてもいつもシマノフスキを弾いている時に切れるのです。それもコンサート前に。
ですので調律師さんには無理を言って来てもらうことになってしまいます。今回も深夜に来てくださいました!
シマノフスキは大学生の時に初めて弾きましたが、その時はあまり理解せず弾いたので、実際はポーランドに留学してから出会った作曲家です。
メトープをもらって譜読みをし始めたものの、あまりの複雑さに頭痛と涙で苦しみました。あの苦しさを経験してからは、どの曲もメトープよりはマシと思えています(笑)
ちょうどシマノフスキを記念する年だったので触れる機会が多かったことも、留学中に運がよかったことのひとつ。
楽譜は3段譜も多く、複雑に絡み合い、とにかく難解ですが、その絡みが立体的になるのが面白いです。
今回演奏するマズルカは、タトラの民族音楽に影響を受けた踊りと歌が交互に出てくる独特のリズムと叙情性が魅力です。
ヴァルス・ロマンティークは、彼の特徴のオーケストラの響き。連打が印象的なメロディーです。
ちなみに私はシマノフスキの曾孫弟子。遠い(笑)
でも、直系なんだよ、と先生には言われました!
弦は切れるし、音楽は複雑だし、厄介な作曲家ですが、それでもオーケストラの豊かな響きと、多彩に入れ替わる音楽とを存分に伝えられるように表現したいと思います。
あとは、本番まで弦が切れませんように!