ピアノのお散歩

ピアニスト北中綾子のブログです。音楽やピアノのこと、趣味や日々のことを思いつくままに綴っています。

誕生日&結婚記念日

結婚記念日と私の誕生日でした。

記念日にはイタリアンかフレンチに行っていましたが、今回は和食にしました。海太郎が何を思ったか菊乃井に行こうと言い出したのです。

前日からちょっと緊張(笑)

 

 

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右側の建物です。

道を進んでお店の正面が見えると、お店の方が出迎えてくれました。

 

 

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通されたお部屋。すごい!

まずはお茶が出てきました。

 

お料理は「祇園月の献立」。

 


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八寸。鮑、ぐじのきゅうり巻き、蛸の子、エビ、利休麩と青瓜雷干し、サフラン生姜、鱧寿司。

茅の輪が乗っています。祇園祭の「蘇民将来子孫也」とお札も付いていました。仲居頭さんに意味を尋ねて詳しく教えてもらいました。この無病息災を願うお札も大事に取っておきます。

 

言われた通り、茅の輪の中に手を入れて一口食べてから輪を外しました。

盃はかわらけに金を塗ったそうです。

 

ここで「今日の焼き物です」と鮎を持ってきて見せてくれました。まだピチピチ跳ねてます!

 


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最初は「菊乃井」という純米吟醸で乾杯。

 


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うに豆腐。「雲丹」は生、火を通したものは「海胆」と書くそうです。だから今回は「海胆豆腐」。

ほんのりわさびの味もする山芋あん。

 

 

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鯛と太刀魚のお刺身。ウリの器です。丸い見た目が可愛らしくもあり、思わず「うわ〜!」と声が出ます。

 

 


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裏からの図。

 

さあ食べよう!とふと海太郎を見ると、正面に飾られていた葉っぱを醤油につけているところでした。

え・・その葉っぱは飾りじゃないの!?と制する間もなく、パクリ。

じーっと眺めていると、「これ、食べるもんじゃないな。」

当たり前や!!!

 

その後ずっと口の中で葉っぱの変な味が広がっていたそうです。美味しいお刺身がなんともったいない。

 

仲居頭さんがやって来た時に言いつけると、「まあ毒じゃありませんからね。きゅうりの葉っぱ。トゲトゲしてて独特の味がしますでしょ。」

そして、

「これまでにウリはかじった方いらっしゃいましたけど。

ウリもかじりはります?いいんどすか?心残りはありまへんか?」

 

ウリをかじった人はいたけれど、ウリの葉っぱを食べた人は初の模様。

 


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鱧落とし。梅肉醤油。

普通は冷たいですが、温かいお出汁に落とすとのことで、ほんのり温かかったです。

 


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すっぽんとふかひれの入った冬瓜蒸し。

この冬瓜は食べてよし!

冬瓜にも味が染みてて柔らかくてとても美味しいです。皮ギリギリまで食べられるけども、お腹と相談してほしいとのことでした。

皮は食べたらあかん。

 

 

部屋からお庭にも出られるし、部屋は広々、なんとも優雅な時間です。庭に降りたり部屋を眺め回してうろうろ。

でも奥で襖が開いてお料理が運ばれてくる準備の音が聞こえると、さささっと着席。姿勢を正してお料理を待ちます。海太郎もいつもこれくらいピンとしててほしい。

 


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「さきほどの鮎が姿を変えてまいりました〜」と運ばれてきた鮎の塩焼き。

 

ここで女将さん登場。

今までの仲居頭さんも味のある素敵な方で見惚れていましたが、女将さんは貫禄が違います!!もはや神々しい。

ビビって小さくなってしまいました(笑)所詮小心者。

「あやちゃんは(比べたら)小学生みたいやな。」海太郎談。

私もこういう迫力ある雰囲気で人をビビらせたいという夢を抱きました。

 

鮎は頭を下にして焼いているので、頭には脂が落ちてきてカラッと焼き上がり、身はふっくら、との説明でした。

ご挨拶の印にとお酌もしてくださって、ありがたく頂きます。別腹たくさん用意してくださいね、と言われ、「はい!!」と元気よくお返事。

 

鮎は串から外して頭から食べました。

 


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トマトスープの上に汲み上げ湯葉。混ぜながら食べます。

 

 


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この蓋を開けると、


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夏越し(なごし)の薬石。

四つ足の動物を食べて夏を乗り切ろうということだそうです。もともと日本では四つ足動物は食さなかったけれど、あえてそれを食べるという先代の知恵とのこと。

今日の四つ足の動物は牛。柔らかくて炊いた牛肉にじゃがいもあんがかかっていて、ずいきが添えてありました。

 

 

 

最後に釜で炊いた鱧ご飯が運ばれてきて、女将さんがよそってくれます!!鱧より女将さん。

 


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鱧ご飯と新牛蒡のすり流し。

 

「うっとこは量が多いでっしゃろ。」と、それでも最後まで食べられるように野菜のお料理なのだそうです。

「手前どもの」「うっとこの」「でっしゃろ」など京都らしい言葉遣いも楽しめます。

 

鱧をなぜ食べるのか。夏に京都へ運ばれてきた魚の中で唯一鱧だけが生きていたそうで、その生命力にあやかろうということなのだそうです。

 

釜に入ったご飯はお代わりできます。

食べ終わって、うーん、自分でよそっていいんだろうか、と言いながらお茶碗によそった海太郎。

そのタイミングで仲居さんが入ってきました。

「あ!自分でよそってしまいました!」

「いいんですよ。」

 

いいのか、と思ってまた2人でよそって食べていたら、仲居さんがまたやって来て「もしかして〜・・・」

「あ!また自分でよそって食べてます!!」

ちっとも待てない2人です。

 


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黒蜜に入った葛切り。

八ツ橋アイスクリーム。

葛切りを食べてから、残った黒蜜をアイスクリームにかけて食べました。

 

そして、献立には載っていないお菓子とお茶が出てくるようです!

 


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蓮根入りの枝豆の羊羹。

 

この後おうすが出てきました。

 

 

帰りにも出口で女将さん座っていらっしゃいました!

わ〜女将さん!!本日3回目。

 

結婚記念日と誕生日ですと海太郎が仲居さんに話したので、記念にタオルをくれました!

ビビりがマシになってきたので、少しお話できました。

見送られて幸せな気持ちでお店を後にしました。

 

 

 

f:id:Ayaczko:20220712193846j:image誕生日の前に海太郎が買ってきてくれたお花。